【電気工作DIY】便利なワイヤーストリッパー 種類・選び方・代用品まで解説!

電気工作で“あると楽できる”便利な道具、それがワイヤーストリッパー

 電気工作では、被覆電線を使う機会がとても多いです。
 そしてその時、地味に面倒で、しかも失敗しやすい作業があります。

 それが——
「電線の被覆むき(皮むき)」です。

 芯線を露出させるために被覆をうまく剥がせないと……

  • 撚り線の何本かがちぎれてしまったり
  • 中の芯線ごと切断してしまったり
  • 被覆にうまく切り込みが入らず、ビヨーンと伸びるだけだったり

 ……と、何かとトラブルの原因に。

 そんなときに!
 1本持っておくだけで作業が劇的に楽になるのが――
 ワイヤーストリッパーなんです!


ワイヤーストリッパーってどんな道具?

 ワイヤーストリッパーとは、電線の外側の被覆だけをキレイに剥がすための専用工具です。

 芯線を傷つけず、一定の長さでスパッと被覆を剥がせるので、作業効率も仕上がりの美しさもグッと向上します。

 私自身はというと——
 2mm以上の太めの線に対応した手動タイプ(圧着端子のカシメ付き)と、0.2〜4mmの電線に幅広く対応できる自動タイプ(フラットワイヤーカッター一体型)の2つを所有しています。
 中国の大手工具メーカーのLAOA(ラオア・ツールズ)製です。

 ……とはいえ、たまに出すのが面倒で、つい無精してデザインナイフの腹で“コロコロ”して被覆を剥くこともあったりしますが。
 所有していると、特に芯線を傷つけずに被覆だけを剥がせるので、仕上がりも作業効率も一気にアップします。


主なワイヤーストリッパーの種類と特徴

 ワイヤーストリッパーには、大きく分けて「手動タイプ」と「自動タイプ」の2種類があります。
 用途や扱いやすさ、対応できる線の種類が違うので、それぞれの特徴を理解しておくと選びやすくなります。

タイプ特徴メリットデメリット
手動タイプ所定の位置にワイヤーを挟み、手の力で被覆を剥くタイプ。小型・軽量。・構造がシンプルで安価
・細かい作業に向く
・慣れないと芯線を傷つけやすい
自動タイプ電線を挟んでグリップを握るだけで自動で被覆を剥がす便利なタイプ。・誰でもキレイに剥ける
・効率が良く作業が早い
・やや高価
・工具自体が大きくなる傾向
多機能タイプ自動タイプに加えて、ワイヤーカッターや圧着機能などを備えたもの。・一本で多機能をカバーできる・構造が複雑で重くなりがち
芯線径ごとに溝があるタイプ対応するワイヤーサイズごとに溝がある昔ながらの手動型。・構造が単純で安価・溝に合わない線を使うと被覆がうまく剥けない

どんなタイプを選べばいい?

  • 初心者には自動タイプがおすすめ!
     グリップを握るだけでキレイに被覆が剥けるので、失敗しにくく作業もサクサク進みます。
     頻繁に電線を加工するなら、自動タイプ+カッター・圧着付きの多機能モデルがコスパも良く便利です。
  • 細かい作業が多い方や収納重視の方には手動タイプも◎
     ペンチサイズで持ち運びもラクなので、工具箱の中に常備しておくと安心です。

ワイヤーストリッパーの選び方

よく使う電線の太さ(AWG・mm²)に合ったサイズを選ぶ

 ワイヤーストリッパーは、対応できる電線の太さに制限があります。製品によっては太めの電線向けや、極細の電線専用など、対象サイズが異なるため注意が必要です。

 私の体感では、電気工作でよく使うのはAWG24前後(0.2〜0.3mm²程度)の細い電線が多め。なので、このあたりのサイズにしっかり対応しているかはチェックすべきポイントです。

 また、特に海外製の手動タイプでは、電線サイズの表記が「SQ(mm²)」ではなく「AWG」で書かれていることが多く、慣れていないとどの穴を使えば良いか分かりづらいと感じることも。

👉 自動ストリッパーは特に「対応サイズ」を確認して選びましょう!
 広い範囲の電線に対応しているモデルもありますが、細線に弱い製品もあります。


芯線を傷つけにくい構造かどうか

 ワイヤーストリッパーの一番の役割は、「芯線を傷つけずに被覆だけを剥がす」こと。
 しかし、安価な製品や切れ味が悪い製品だと、被覆と一緒に芯線の一部まで削ってしまうこともあります。
 これを繰り返すと、配線の信頼性が落ちたり、最悪の場合は断線の原因にも。

👉 刃の精度が高く、スムーズに切れるものを選びましょう。
 できればレビューや実際の使用者の声を参考にして、「芯線を削らない」という評価のある製品を選ぶと安心です。


グリップの形状や滑りにくさ

 地味に大事なのがグリップの握りやすさ
 ワイヤーストリッパーは手動でしっかり握って使う工具なので、手にフィットする形状かどうか、滑りにくい素材かどうかで、作業の快適さが大きく変わってきます。

 特に、自動ストリッパーや圧着機能付きのタイプは、多少サイズが大きくなる分、握りやすさと疲れにくさはとても重要です。

👉 長時間使う人は、ラバーグリップなどの「滑りにくく握りやすい」ものを選びましょう。


精度とバネの動きも意外と重要!

 ストリッパーの刃が閉じたあと、被覆を剥くときにスムーズに刃が開くかどうかも快適性に直結します。
 安価な製品はバネが固すぎたり、戻りが悪かったりして、動きがぎこちないことも。

👉 一見目立たない部分ですが、使っていてストレスを感じないかどうか、ここも選ぶ基準にしてみてください。

代用品として使える道具

「まだワイヤーストリッパーを持っていない!」という方も多いと思います。
 そんな時は、手持ちの工具や道具である程度の代用が可能です(ただし、安全性や仕上がりの面で注意が必要です)。

 私も実際、デザインナイフでくるくる回しながら被覆を剥いたりライターで炙って無理やり引き剥がしたり……と色々やってきました。
 ただし、芯線を傷つけたり、作業性が悪かったりとリスクもあるので、あくまで“応急処置”用と考えてください。

代用品メリットデメリット・注意点
カッターナイフどこでも手に入る。細かい作業が可能芯線を傷つけやすい。コツが必要で慣れてないと失敗しやすい。
ニッパー軽く切れ目を入れて引っ張ると剥がせる刃が傷む。芯線ごと切ってしまうリスクあり。
ライター被覆を炙って柔らかくすれば剥がせる芯線の絶縁が劣化しやすい。焦がすと見栄えが悪く、臭い。非推奨。
はんだごて(応急処置)熱で焦がして剥がすことも可能キレイに剥けない。芯線に熱が伝わるので電子工作には向かない。

それでも専用工具はやっぱり便利!

 やっぱり、ワイヤーストリッパーが1本あるだけで被覆剥きの精度も速さも段違いです。
 代用品で失敗して芯線を痛める前に、電気工作を続けていくなら早めの導入をオススメします!


ワイヤーストリッパー、おすすめメーカー

 信頼性が高くて使いやすいメーカーは以下の通りです。未知の製品に手を出しす冒険をするのがいやな人は、迷ったら素直にこの辺のメーカーの商品を選びましょう。個人的にはホーザンが好きです。

  • ENGINEER(エンジニア):精密・細線向けの製品が豊富
  • HOZAN(ホーザン):定番の日本メーカー、教育用にも強い
  • KNIPEX(クニペックス):ドイツ製、高品質でプロ向け
  • VESSEL(ベッセル):使いやすさと価格のバランス良好
  • TONE(トネ):工具全般に信頼性あり

【注意】安いストリッパーの落とし穴

 1000円以下のワイヤーストリッパーには以下のようなデメリットが…。

  • 切れ味が悪くて芯線がちぎれる
  • サイズ表記がズレていてミスしやすい
  • 一部がすぐに壊れる、グリップが外れるなど

 安物でもうまく使えば便利ですが、初心者こそ信頼できる一本を選ぶことが重要です。


マイ・ワイヤーストリッパー

 ちなみに私が初めて買ったワイヤーストリッパーも、もう10年以上、かなり長く使い続けています。
 みた目はまあ、かなり年季が入ってきましたが、今もバリバリ現役です。
 いい工具と巡り逢えれば、それはホントに一生モノとなります。LAOA(ラオア・ツールズ)製ですが。


最初の一本にこそ、良いストリッパーを!

 ストレスなく被覆をむけるだけで、電気工作の作業効率と仕上がりが段違いにアップします。

 特に自動タイプや精密タイプのワイヤーストリッパーは、初心者にも扱いやすく、芯線を傷つけるミスも減らせるのでおすすめです。

 電気工作をこれから趣味として長く楽しみたいなら、最初の一本こそ、信頼できる良い道具を選ぶのが大切です。

 多少高くても、丈夫で正確なストリッパーは何年も使い続けられますし、作業のたびに「買ってよかった」と実感できます。

「とりあえずこれでいいか」で済ませず、ぜひ最終的にはお気に入りの一本を見つけてみてください!

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