ハンダこてのコテ先、使い勝手がいいのはどれ?
はんだこての代表的なコテ先形状
※以下は、ハンダこてのコテ先を「横から見た形状」を簡略化したイメージ図です。メーカーや型番が違っても、基本的な形状分類は共通です。

まずは先端の形状の違いを図で把握したもらったうえで、それぞれの使い勝手を解説していきます。
最もポピュラーなB型・I型は、実は万能ではない
ホームセンターでよく見かける、安価な入門用ハンダこて。
それに標準で付属していることが多いのが、ペンシル型(円錐型)のB型コテ先です。
しかしこのB型、実は部品への熱伝達効率が悪く、正直かなり使いにくい形状です。
先端が細く(イメージ=・)、母材と「点」でしか接触しないため、どうしても接触面積が不足してしまいます。
さらに、電子工作向けとして販売されている20W前後のハンダこてでは、B型をさらに尖らせたI型(ニードル型)が付属していることも多く見られます。
基板作業を想定して細くしているのでしょうが、I型はB型以上に接触面積が小さく(イメージ=・)、ランドに十分な熱を伝えにくい形状です。
そのため、温度を上げてもはんだが溶けにくく、結果として電子工作にはあまり向かないと、私は感じています。
はんだ付けで重要なのは、効率よく熱を伝えるための「母材とコテ先の接触面積」です。
その条件を満たさないB型・I型が、なぜここまで標準付属として多く流通しているのかは正直謎です。
実際、ある程度電子工作に慣れた人で、B型やI型を常用している人はほとんどいません。
また、ハンダこてはコテ先が交換可能なタイプを選んでおくのがおすすめです。
特に白光の900M-T互換タイプであれば、D型やC型などの実用的なコテ先が安価に入手できます。
▶ ハンダこて本体の話はこちらにまとめていますので、興味があれば参考にしてください。
個人的に一番使いやすいコテ先:D型
※あくまで個人の感想です。異論はもちろん認めます。
D型コテ先は、マイナスドライバーの先端のような形状(イメージ=ー)をしています。
B型・I型が点接触なのに対し、D型は線、あるいは面で接触できるため、
熱伝達効率が高く、はんだがよく溶け、ノリも良くなります。
ただし、D型1本ですべての作業を万能にこなせるわけではありません。
私の場合、
- 基板へのはんだ付けがメインの精密作業 → 幅1.2mm または 2.4mm
- 1.6mm幅も便利(※手元には未所持)
- 太い線や熱容量が必要な作業 → 3.2mm幅
という使い分けをしています。
穴あき基板への部品実装であれば、B型やI型よりも圧倒的にD型のほうが使いやすいと感じています。
個人的コテ先No.2:C型
C型は、B型の先端を斜めにカットしたような形状(横から見た先端のイメージ=/)です。
先端の面積が広く、母材に対して面で当てられるため、こちらも熱伝導効率が非常に高いコテ先です。
私はD型派ですが、「C型が一番使いやすい」という人も多く、このあたりは完全に好みの問題でしょう。
C型は、1C、2C、3C、4C、5C…と数字が大きくなるほど先端が太くなります。
1本ですべてをカバーできる、という都合のいい話はなく、最低でも2C・3C・4Cあたりは揃えておきたいところです。
- 穴あき基板の部品実装 → 2C
- 熱容量が必要な箇所 → 3C・4C
という使い分けになります。
個人的コテ先No.3:K型
K型は、ナイフのような形状をしたコテ先です。
慣れると、
- 先端を使えばI型のように点(イメージ=・)
- 腹を使えばD型のように線や面(イメージ=/やー)
と使い分けができ、1本でかなり幅広い作業に対応可能です。
ただし、これは完全に「使いこなせれば」の話。
私は正直、K型はあまり得意ではありません。
熟練者であれば、「使いやすさランキング1位」に挙げる人も多いと思います。
しかし、もし「コテ先を1本しか使えない状況ならどれを選ぶか?」と聞かれたら、私も迷わずK型を選ぶでしょう。
表面実装部品(SMD)で、足の多いICを引きハンダする場合には、K型が最も向いていると言われます。実際に使いやすいです。
なお、見た目からホットナイフと勘違いされがちですが、これはホットナイフではありません。
プラスチックの切断などに使用すると、
- きれいに切れない
- コテ先を傷める
だけなので、絶対にやめましょう。
まとめ:コテ先は「10種類前後のセット品」がおすすめ
独断と偏見でコテ先ランキングを書いてきましたが、結論としては、10種類前後のコテ先セット品を購入するのが一番手軽です。
セット品のメリット
- 安価
- 必要な形状が一通り揃う
- 実際に試して「自分の好み」が分かる
セット品のデメリット
- 安価なものは腐食が早く、寿命が短い
- 実際によく使うコテ先は限られる
- 半分以上は使わずに余ることも多い
とはいえ、ダメになったら買い替えればいい価格帯ですし、経験値を積むという意味では十分に価値があります。
なお、セット品にはほぼ確実にあまり使わなくなるB型やI型が含まれてしまうのが、唯一の残念ポイントでしょう。
