使い方簡単クランプメーター 電線を挟んで電流測定 買うなら交流・直流両対応を!

電流測定のハードルを下げてくれる便利な測定機「クランプメーター」

「電流を測るのって、なんだか面倒だし難しそう……」
 そう思っている方におすすめなのが、クランプメーターです。

 通常、電流を測るためにはテスターを回路に直列につなぐ必要があり、導線を切って接続しなければならないケースも多く、手間もかかります。しかしクランプメーターなら話は別。測りたい回路の電線にパカッとクランプする(挟む)だけで、簡単に電流が測れてしまうんです。

 とくに電気工作やDIYを楽しんでいる方にとって、これは非常に便利なアイテム。ただし注意点もあります。格安のクランプメーターの中には「交流(AC)専用」のモデルも多く、直流(DC)の電流は測れない場合があります。趣味で使う場合は、DCにも対応したモデルを選ぶのが断然おすすめです。

 この記事では、クランプメーターの基本的な仕組みや使い方、DC対応モデルを選ぶポイント、初心者にも扱いやすいおすすめ製品などをわかりやすく紹介していきます。


電線を“挟むだけ”で電流が測れるクランプメーターとは?

クランプメーターの仕組みとメリット

 クランプメーターは、クランプ部分で電線を挟むだけで電流が測れる便利な測定器です。一般的なテスターのように、配線を切って直列につなぐ必要がなく、回路をいじらずにそのまま測定できるのが最大の特長です。

 この仕組みは、クランプ部分に内蔵されたセンサー(CT方式またはホール素子)によって、電線を流れる電流から発生する磁界を読み取って数値化しています。特にホール素子タイプは直流(DC)にも対応しており、電気工作やバッテリー関連の測定にぴったりです。

太陽光発電など直流回路のチェックにも便利

 たとえば、趣味の電子工作や実験の一環として、自作の小規模な太陽光発電システムを構築している人にとっても、クランプメーターは非常に重宝します。
 太陽電池とバッテリーをつないだ直流(DC)配線の電流を、配線を切らずにそのまま測定できるため、安全で手軽。動作確認や発電量の目安を知るのにも便利です。

クランプメーターのセンサー方式|CT方式 vs ホール素子方式

 クランプメーターの心臓部であるセンサーには、大きく分けて以下の2方式があります:

  • CT(カレント・トランス/変流器)方式
     交流(AC)の電流測定に特化した仕組みで、コイルを通る電流によって発生する磁界を電圧に変換して測定します。
     ※DCには非対応。格安モデルはほぼこのタイプです。
  • ホール素子方式
     磁界を検出する半導体「ホール素子」を使って、直流・交流どちらの電流にも対応できるのが特徴。自作電源やバッテリー測定など、DC回路が多い電気工作にはこちらが必須です。

 どちらの方式を採用しているかは、製品のスペックに明記されているので、購入前に必ず確認しましょう

電気工作での活用シーン

 クランプメーターは、次のような場面で役立ちます:

  • 自作電源やバッテリー回路の電流チェック
  • モーターやLEDの電流消費の確認
  • USB充電器やモバイルバッテリーの動作テスト
  • 趣味で組んだ太陽光パネルとバッテリーの間の電流測定

 測定時に配線を切らずに済むので、初心者でも扱いやすく、トラブルも起きにくいという安心感があります。

テスターとの違いと注意点

 一般的なテスターは電流を測るとき、回路に「直列」でつなぐ必要がありますが、クランプメーターならその手間が不要。電線を挟むだけなので、安全かつ手軽に電流が測定できます。

 ただし、すべてのクランプメーターが直流対応というわけではありません。安価なモデルは交流(AC)専用の場合があるので、DC測定したい場合は「直流対応」かどうかを必ずチェックしましょう

すでに私は失敗している!

 実は私は最初、商品のスペックをよく調べずに直流電流も測れると勘違いして交流専用のクランプメーターを買ってしまったことがありました。
 趣味の電子工作でDC回路を測りたかったのに「まったく測れていないだと……?」と慌てて詳細スペックを確認して、初めて「これ、DCは測れないじゃないか!」と気付いたというやらかし経験があります。
 この失敗をきっかけに「DC対応」の重要性を実感しました。みなさんも購入前には、ぜひスペックのチェックをお忘れなく!


初心者向け!クランプメーターの選び方

用途に合ったモデルを選ぼう

 クランプメーター選びで最も大切なのは「何に使いたいか」です。

 趣味の電子工作や家庭内のちょっとした電気チェックには、軽量コンパクトで直流(DC)にも対応したモデルが最適。太陽光発電システムや自作の電源装置のチェックにも活躍します。

 一方、業務や大電流の測定が必要な場面では、測定レンジが広く、高精度なモデルが向いています。


交流専用と直流対応、どう違う?

 クランプメーターには大きく分けて、

  • 交流(AC)専用タイプ
  • 交流+直流(AC/DC)両対応タイプ
    があります。

 DIYや電子工作で直流を扱う機会が多いなら、DC測定に対応した機種を選ぶのが鉄則。自作回路のチェックにも使いやすいです。

交流専用モデルは価格が安いというメリットがありますが、DC測定ができないと後で後悔するかも。用途をよく考えて選びましょう。


初心者にやさしい便利機能

 初めてクランプメーターを使う方には、次のような機能がついていると安心です。

  • オートレンジ機能:測定レンジを自動で切り替えてくれる
  • データホールド:測定値を一時停止して表示する
  • ゼロリセット:直流測定時の基準を簡単に合わせられる
  • バックライト付きディスプレイやLEDライト:暗い場所での作業も快適
  • 軽量・コンパクト:持ち運びしやすく作業もスムーズ

 これらの機能が揃っていれば、初心者でも迷わず、安全に電流測定が行えます。


信頼できる!クランプメーターの有名メーカー紹介

 クランプメーターを選ぶ際は、実績のあるメーカーの製品を選ぶと安心です。ここでは、初心者から上級者まで人気のあるメーカーをピックアップしてご紹介します。


1. HIOKI(日置電機)

 日本を代表する測定器メーカー。
 プロの現場でも多く使われており、精度・耐久性・使いやすさに定評があります。価格はやや高めですが、信頼性重視なら間違いなし。
 → DC対応の高性能モデルもラインナップ豊富!


2. Sanwa(三和電気計器)

 こちらも国内で長い歴史を持つ老舗メーカー。
 クランプメーターだけでなく、テスター類も多数展開しており、家庭用・DIY向けにもぴったりの手頃なモデルが揃っています
 → コンパクトで扱いやすい製品が多く、初心者にもおすすめ!


3. KYORITSU(共立電気計器)

 業務用としても多く使われている信頼のブランド。
 特に電気工事士や技術職の間で高評価のメーカーです。
 → 安全性重視で堅牢なつくりが魅力。DC対応モデルもあり!


4. UNI-T(ユニティ)

 中国発のグローバルブランド。
 低価格帯ながら機能が豊富で、Amazonなどでもよく見かける人気メーカーです。
 → 「とりあえず試してみたい」という方にもおすすめのエントリーモデル多数!


5. ANENG (中華系メーカー)

 格安価格で多機能なモデルが多い中華ブランド。
 品質にはバラつきもありますが、最近はしっかり使える製品も増えてきています。レビューをよく確認して選びましょう。
 → コスパ重視の方、遊び感覚で試してみたい方に!


迷ったら「DC対応モデル+日本メーカー」からチェック!

 特に直流を扱う電気工作がメインなら、「DC対応」「日本製」「レビュー評価が高い」という3つの視点で選べば失敗が少ないです。


私が使用しているデジタルクランプメーター&テスター「ANENG PN129」

 現在私が愛用しているのは、ANENG PN129という製品です。
 このモデルは、クランプメーターとデジタルマルチメーターが一体化した多機能タイプで、電流の測定だけでなく、電圧や抵抗、導通チェックなどもこれ1台でこなせます。付属のテスターリードを使えば、通常のテスターとしてもすぐに使えます。

 本体は非常にコンパクトで、作業ズボンのポケットにも楽々収まるサイズ。持ち運びも苦にならず、ちょっとした現場やDIY作業にぴったりです。

 電源は単4電池×2本で動作し、アルカリ電池と比べると若干電圧が低いニッケル水素の充電池でも問題なく使用できています。

 購入の際は、保証付きのAmazon出荷品を選ぶと安心です。価格も手頃で、初めてのクランプメーターとしてもおすすめできる1台ですよ。

クランプメーターの正しい使い方と実践

基本の使い方は「挟んで数値を読む」だけの測定

 クランプメーターでの電流測定はとても簡単。以下の流れを守るだけで、初めての方でもスムーズに使えます。

  1. 電源を入れ、測定モード(AC/DC)を設定
     電気工作では直流(DC)を測ることが多いため、DC対応モデルを選んだうえで、モードを正しく合わせましょう。
  2. 測りたい電線をクランプ部分で挟む
     このとき、1本だけを挟むのがポイント。複数の線を同時に挟むと正しい電流が測れません。
  3. 表示された値を読み取る
     値が安定したらそのまま読み取るだけ。一部の機種には「データホールド機能」があり、測定値を保持できます。

【実用Tip】直流を測るときは「ゼロ点調整」を忘れずに!

 直流(DC)測定の際は、測定誤差をなくすために「ゼロ点調整(ゼロリセット)」が必要です。
多くの直流クランプメーターには「ZERO」ボタンがついているので、測定前に必ず押して基準値をリセットしましょう。

⚠️この作業を忘れると、正しい電流値が出ないことがあります。測定するたびに癖づけておくと安心です。


安全に使うためのポイント

 クランプメーターは安全に配慮された便利な機器ですが、基本的な注意も押さえておきましょう。

  • 測定電流の上限値を超えないようにする
  • 測定中は電線を無理に動かさない
  • 配線が通電しているときは素手で触れない(絶縁手袋などを使用)

 特に家庭用でも、太い配線や高電流の機器を扱うときは慎重に。説明書やマニュアルを確認してから作業しましょう。


家庭での活用シーン

 趣味の工作・DIYのほかにも、クランプメーターは意外と活躍の場面が多いんです。

  • 家電製品の消費電流チェック
     「この家電、思ったより電気使ってる?」といった確認に便利。
  • バッテリーやソーラーパネルの電流測定
     自作の太陽光発電システムやモバイルバッテリーの出力確認にもピッタリ。
  • 漏電の確認や異常検知
     電流値が不自然に変動している箇所を見つければ、トラブルの早期発見に役立ちます。

DC対応の多機能モデルを選んでおくと、活用の幅がぐっと広がります!


クランプメーターは「簡単に電気を測定する便利ツール」

 クランプメーターは、「電流を測るのって難しそう…」というハードルを一気に下げてくれる便利なアイテムです。
 とくに、趣味の電気工作で「安全に・簡単に」電流をチェックできるのは非常にありがたいポイント。

 最近は、DC対応・小型・高機能なモデルも手頃な価格で手に入るようになってきました。
 最初にちょっと失敗してしまいDC用を新たに買い直す羽目になった筆者も、それを穏やかな心で忘れられるくらいには、DC対応クランプメーターの使い心地に重宝して満足しています。

クランプメーター選びで迷ったら…

  • 交流・直流どちらも測れるか
  • 小型&オートレンジ機能付きで使いやすいか
  • ゼロ点調整が簡単か

 この3点を押さえれば、初心者でも失敗しにくいはずです。


「測る」ことができれば、電気の不透明な部分が“数字”になって見えてくる——
 工作やDIYの安心感も、ぐっとレベルアップしますよ。

 ぜひこの機会に、あなたにぴったりのクランプメーターを見つけてみてください!

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