あると便利!「はんだ吸い取り線」と「はんだ吸い取り器(手動&電動)」と代用品

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はんだを除去するシーンに必ず出くわす電気工作

 はんだごてでの作業に慣れてくると、「はんだを除去したい」という場面が必ず出てきます。
 そんな時に役立つのが、はんだ吸い取り線やはんだ吸い取り器です。
 最初は必須ではないかもしれませんが、あると格段に作業の幅が広がる便利アイテムです。


どんな時に吸い取りツールを使うのか?

 吸い取りツールを使う場面で最も多いのが、部品の取り付け位置を間違えた時に、はんだを除去するケースです。

 最近の電子工作キットでは、SMD(表面実装部品)が含まれていることが増えており、それに伴ってはんだ付けの難易度も上昇しています。
 たとえば、チップ抵抗の取り付け程度であれば比較的簡単ですが、足の数が多く、ピッチ(間隔)の狭いICチップのはんだ付けになると、はんだブリッジ(隣接する端子がはんだでつながってしまう現象)が起きやすくなります。

 このような場合に、余分なはんだを吸い取ってショートを修正したり、きれいに再はんだするために、吸い取りツールが活躍します。

 また、壊れた家電製品や古いPCのマザーボードなどから、基板上のFETなどの使えそうな部品を取り外して再利用したいときにも、はんだ吸い取り器や吸い取り線は必須となる場面が多いです。


吸い取り線(ソルダーウィック)とは?

 吸い取り線とは、編み込まれた銅線にフラックスを染み込ませたもので、
 不要なはんだを吸収させて取り除くために使います。

特徴とメリット

  • 細かなはんだの除去に最適(ICや小型部品など)
  • スポット的に使えて、仕上がりがキレイ
  • 銅がはんだを「吸う」性質を利用しているため、余計な力がいらない

使い方のコツ

  1. 吸い取りたい部分にはんだ吸い取り線を当てる
  2. 上からはんだごてで押さえる
  3. 熱で溶けたはんだが線に吸い込まれていく
  4. 線を引き抜いて完了!

🔰 注意点:一度使った部分は再使用不可。使い終えたら切り取って廃棄しましょう。


吸い取り器(スッポン)とは?

「スッポン」とも呼ばれるはんだ吸い取り器は、バネの力でポンプを動かして吸引するタイプの除去ツールです。
 主に比較的大きなはんだの塊を取り除くのに向いています。

特徴とメリット

  • 大量のはんだを一気に除去できる
  • ボタンひとつで手軽に吸引
  • 繰り返し使えるため経済的

使い方のコツ

  1. 溶かしたはんだに吸い取り器の先端を近づける
  2. ボタンを押して「シュッ!」と吸い込む
  3. 数回繰り返して、はんだを完全除去

💡 先端が樹脂製のものは熱に注意! 数回使うと溶けてしまうこともあるので、耐熱性のある製品を選ぶのがベター。


どっちを選べばいいの?

用途・場面吸い取り線吸い取り器
細かい基板・ICまわり
はんだの量が多い箇所
手軽さ・操作性
仕上がりのキレイさ
初心者向け

結論:両方揃えておくと完璧!
細かい作業には吸い取り線、大胆な除去には吸い取り器が向いています。


ハンダ吸い取り器、手動と自動どっちがいい?

 はんだ吸い取り器には、手動式自動式(電動・電熱式)の2種類があります。
 それぞれにメリット・デメリットがあり、用途や予算で選び方が変わってきます。


手動式(スッポン)

 バネ式のポンプで吸い取るシンプルな構造。初心者にも人気のある定番タイプ。

特徴内容
メリット安価・軽量・メンテナンス不要・電源不要
デメリット一度に吸える量に限りがある・操作に慣れが必要

💡 初心者〜中級者向け。最初の一本としては十分使える!


自動式(電動・電熱式)

 こて先で溶かしながら内部のポンプで吸い取るタイプ。作業効率が格段にアップします。

特徴内容
メリットスピーディー・効率的・片手で操作できる
デメリット高価・定期的な掃除やメンテが必要・電源が必要

⚠️ 価格は5,000円~数万円とピンキリ。基板の修理などで多用する人におすすめ。


どっちを選ぶべき?

使用頻度・用途おすすめタイプ
たまに使う程度・趣味DIY手動式でOK(コスパ良)
頻繁に使う・部品交換や修理が多い自動式(作業効率重視)
作業スペースに電源がない手動式一択

✨ 結論:最初は手動、慣れたら自動が理想的!
趣味の延長から始めた人でも、作業が増えてきたら「自動式が欲しくなる」パターンが多いです。


一時しのぎで代用品になるもの

「吸い取り線も吸い取り器も今は手元にない……でもはんだを除去したい!」
 そんなときのために、応急処置的に使える代用品をご紹介します。

銅線(撚り線・シールド線など)

  • 銅の導線を細く裂いたものを吸い取り線の代わりに使用可能。
  • ただしフラックスが塗布されていないため、別途フラックスを用意するのが望ましい
  • 効果は吸い取り線に劣るが、応急処置としては十分。

綿棒・キムワイプ(超応急処置)

  • はんだを溶かした直後に、ティッシュや綿棒で表面をサッと拭き取る
  • 細かい基板作業には向かないが、平面や大きな部品のはんだ取りには何とかなる場合も
  • 火傷や焦げ、最悪発火のリスクもあるため、自己責任で慎重に!

別用途の真空ポンプ等で代用する

  • 業務用やオイル抜き用の小型真空ポンプ等をスッポンの代用に使う猛者もいます(中~上級者向け)。
  • 工夫次第ではDIY感覚で使用できるが、扱いにくくリスクもあるためあくまでネタ的な参考例。

✅ まとめると:代用は可能だが、やはり専用品のほうが安心・安全・確実!
特にフラックスの有無で吸い取り効率が大きく変わるので、吸い取り線のフラックス入りは本当に優秀です。


吸い取りツールを揃えるなら、有名メーカーの製品がおすすめ

 どれを買えばいいのか不明な場合は、無難に有名メーカーの吸い取りツールを選びましょう。

  • 白光(HAKKO):吸い取り線・吸い取り器ともに高品質で定番。
  • ENGINEER(エンジニア):高精度スッポン型吸い取り器が人気。
  • goot(太洋電機産業):コスパの良い吸い取り器や吸い取り線が充実。

まとめ

 はんだのやり直しが発生するのは、電子工作ではよくあること。
 失敗を恐れずに何度も修正できる環境を整えることが、はんだ付け上達への近道です。

 吸い取り線や吸い取り器があるだけで、工作の自由度がグッと広がりますよ!

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