紫外線LEDや赤外線LEDは、通常の可視光LEDとは違い、「目で見て確認する」という手段がほとんど使えない。そのため、動作確認や特性の把握には、分光器のような“波長を可視化する装置”がほぼ必須になる。
見えない光は視覚的に確認できない
可視光LEDであれば、点灯すれば光るため「正常に動いているか」は一目で判断できる。
しかし紫外線(UV)や赤外線(IR)は人間の目には見えないため(※特に短波長側の紫外線は完全に不可視)、
- 点灯しているのか
- 壊れているのか
- 波長がズレているのか
といった判断が発光状態で一切確認できない。
特に短波長の紫外線LEDの場合、光は見えないのにエネルギーは強いため、発光を裸眼で確認したりと、誤った扱いをすると危険性もある。
紫外線はDNAを損傷させる性質があり、目に対しても細胞レベルでダメージを与える。また、強い赤外線は熱として眼にダメージを与える可能性がある。
よって、いずれも不用意な直視は避けるべきである。
この問題を解決する手段が「分光器」である。
メーカー仕様の「ピーク波長」は意外とズレる
LEDには「ピーク波長(例:365nm)」といった仕様があるが、これはあくまで目安に過ぎない。
実際には、
- 個体差
- 温度
- 駆動電流
などの影響で、数nm〜十数nm程度ズレることは普通にある。
実際、公称365nmのLEDを買ったのに、実際のピークは375nmだった、というのはよくある話です。
仮に販売側に悪意がなくとも、公称性能は必ずしもそのまま当てになるとは限りません。
特に紫外線LEDでは、このズレがそのまま性能差につながるので、部品の選択は重要となります。
例:
- 365nm → 樹脂硬化用途
- 385nm → 効率は良いが反応が変わる
用途によっては波長のズレで効果が“別物”になる
(期待する効果が発生しなかったり、期待しない効果が発生したりする可能性がある。)
紫外線は「見えない+直視危険」なので安全な確認手段が必要
紫外線、特に殺菌に使われるUV-BやUV-C領域は、人体(生物全体)への影響が強い。
目に見えないけれど、曝露した皮膚や眼に確実にダメージを与える、という特性があるため、「出ているか分からないまま使う」状態が最も危険である。
さらに、波長が公称と異なれば、目的の効果も得られません。
しかし、分光器があれば、
- 本当にUVが出ているのか
- どの波長が強いのか
を客観的に確認できるようになります。
赤外線LEDも同様に「見えない問題」がある
赤外線LEDも同じく不可視光であり、
- リモコン用途
- センサー用途
などで使われるが、こちらも正常動作に必要な波長の範囲は決まっているが、その確認が目視では不可能である。
スマホカメラを通せばうっすら見えることもあるが、それでも、
- 波長までは分からない
- 強度も不明
あくまで簡易確認にしかならないので、問題は解決しない。
分光器があれば何ができるのか
分光器を使うことで、
- 波長分布(スペクトル)が分かる
- ピーク波長を確認できる
- 不良個体の判別ができる
「見えない光」の詳細を数値とグラフで把握できるのが強い。
まとめ:見えない光を扱うなら“測るしかない”
紫外線や赤外線LEDを扱い出すと、購入した部品が公称仕様と実物で波長がズレていないか確認したい、という問題に遅かれ早かれ直面する。
さらに不可視光線帯のLEDは、
- 見えない
- 危険性がある
という厄介な特徴がある。
そのため、「勘や感覚」ではなく正確な「測定」ができないと、部品が正常なのかの確認が困難になる。
よって、不可視光を扱うのであれば、自分で状態を確認できる測定手段は必須となる。
分光器はそのための装置であり、特に紫外線LEDを扱う場合は、安全面も含めて導入を検討する価値がある。
不可視光(紫外線・赤外線)に対応した分光器については、こちらの記事で実際にレビューしています。
